体内で合成できない必須アミノ酸
トリプトファン(Tryptophan)は「必須アミノ酸」の一つであり、体内で合成ができないため、必ず食事から摂取する必要がある成分です。
脳には有害物質や不要物から守るため、特定の栄養素しか通過させない「血液脳関門」と呼ばれるセキュリティーが存在するのですが、トリプトファンはそれを通過することができる限られた成分であり、脳内で幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」に変換されます。
セロトニンには、精神安定や幸福感を得る働きがあり、ストレスのダメージや不安感を軽減させる効果があります。
世界で最も不安遺伝子を持つ日本人
セロトニントランスポーター遺伝子には、適応性が異なる「L型」と「S型」の2種類があり、これらの組み合わせにより、「SS型」「SL型」「LL型」の3タイプに分類されます。
最新の遺伝子研究により、日本人は他の民族と比較して「不安遺伝子」とも呼ばれる「S型」遺伝子を持つ割合が、世界で最も高く、約8割の日本人がこの型を保有していることが明らかになりました。
「不安遺伝子」を持つ人は、「セロトニン不足」になりやすい傾向があり、ストレスに対する耐性が低下し、不安感の増大や睡眠の質の低下などの影響を受けやすいことがわかっています。 このように、ストレスを受けやすい遺伝的特徴を持つ日本人にとって、セロトニン不足への日常的な対策が必要とされます。
問題解決への救世主
現代社会では勉強や仕事など、毎日プレッシャーと戦い、強いストレスを受けています。
そして私たち日本人はストレスの影響を受けやすい「不安遺伝子」を持っており、常にセロトニンが不足している状態です。
このように大きな問題を抱えた私たちの救世主となるのが「トリプトファン」なのです。
トリプトファンは脳に直接届き、効率良くセロトニンへ変換され、ストレスや不安感を軽減するだけでなく、就寝時には睡眠ホルモン「メラトニン」へと変換され、脳のパフォーマンスを高めるための「良質な睡眠」にも効果を与えます。
日々のストレス、そして遺伝的な特徴からも、私たち日本人にとってトリプトファンの摂取は、ストレス社会を生き抜くため毎日の習慣に取り入れるべき必須アミノ酸だと言えます。