脳をサポートする特別なアミノ酸
「脳を活性化し、記憶力や学習能力をサポートするアミノ酸」が存在することをご存知ですか?
グルタミン(L-glutamine)は非必須アミノ酸の一種で、脳内で学習と記憶の形成に深く関わる「神経伝達物質グルタミン酸」に変換される特別なアミノ酸です。
私たち人間の脳内には1,000億個ものニューロン(神経細胞)が存在し、それらが「神経伝達物質」を介して情報をやり取りすることで、記憶や学習、想起などの高度で複雑な脳のネットワークを構築しています。
神経伝達物質には、アクセルのような役割を担う「興奮性」と、ブレーキのような役割を担う「抑制性」の2つのタイプがあります。
興奮性は学習、記憶力・集中力の向上などに、抑制リラックス性は気分の安定や、睡眠の質向上などに働きます。
その中でもグルタミン酸は、興奮性神経伝達物質の主役です。
そして驚くべきことに、グルタミン酸は脳の興奮性神経伝達物質の約80%を占めており、記憶力や集中力、想像力など、私たちの脳を支える土台となっています。
このようにグルタミン酸は脳のアクセルとなり、学習や記憶力、集中力を向上させ、日々の生活の中で私たちが新しいことを吸収し、適応していく力を支えている重要な存在なのです。
脳を守るセキュリティー
では「グルタミン酸を摂ればいいのでは?」と考える人が多くいるのですが、人間の脳は単純ではなくとても複雑な器官なのです。
実は、脳には有害物質や不要物から守るため、特定の栄養素しか通過させない「血液脳関門」と呼ばれるセキュリティーが存在し、グルタミン酸はそれを通過することができません。
一方、「グルタミン」は血液脳関門を通過できる限られた成分の一つで、脳内でグルタミン酸へと変換されます。
食事だけでは足りない理由
また、グルタミンは体内で合成できる「非必須アミノ酸」とされ、肉、魚、卵、大豆などにも多く含まれることから、あまり重要視されてきませんでした。
ですが、「熱に弱く、加熱調理で失われやすい」、「生または生に近い状態でしか吸収されない」など、摂取することが簡単ではないうえ、勉強などのストレス時は大量に消費してしまうため、現代の生活習慣では不足しがちなのです。
このため、グルタミンは「準必須アミノ酸」として再分類され、効率良く吸収されるサプリメントでの補給が推奨されています。
最高のパフォーマンスを発揮するために
私たちの脳は「生涯、成長し続ける」驚くべき器官です。
学習やトレーニング、新しいスキルの習得など、様々な刺激によって「脳の可塑性」が促進されます。
この可塑性とは、年齢に関係なく、経験や刺激によって脳が「変化・適応・成長」できる能力のことで、脳の成長・活性化に秘められた素晴らしい能力です。
特に、乳幼児期から学童期、思春期(*1)にかけての「脳の可塑性」は、子供の成長に極めて重要であり、将来(成人後)の認知能力や感情のコントロール、社会性など、様々な能力の基礎を形成し、「生涯にわたる学習能力」に影響を与えます。
そして、子供たち脳の健全な発達や、潜在能力を最大限に引き出すための重要な要素である「脳の可塑性」を支えているのが興奮性神経伝達物質「グルタミン酸」です。
そんなグルタミン酸へと効率的に変換される「グルタミン」こそが、私たちの成長を支え、最高のパフォーマンスを発揮するために必要な、脳の必須栄養素なのです。
*1
乳幼児期:0~6歳
学童期:6~12歳
思春期:12~18歳